株主・投資家のみなさまへ [36期 第1四半期]

株主・投資家のみなさまには日頃から格別のご支援をいただき、心より御礼申し上げます。クレスコグループの第36期 第1四半期(2023年4月1日~6月30日)決算がまとまりましたので、ご報告申し上げます。

当第1四半期の経営環境

新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが変更となり、人出が回復するとともにニューノーマルを模索する動きが加速した一方で、円安が再度進行したことにより企業や家計のコスト上昇への警戒感がさらに強まってきております。

当社企業グループが属するIT産業においては、生成AIが企業の人手不足対策や生産性向上に与える影響に注目が集まるとともに、サイバー攻撃に対する脅威がますますクローズアップされ、企業のIT投資意欲は一段と高まっていくものと判断しております。

当第1四半期の取り組み

■ 組織および体制

クレスコにおいては、2023年4月より、さらなる品質強化と業務効率化の促進を目的として、当社の品質管理本部を再編し、品質・プロセス統括本部として改組いたしました。また、デジタルソリューション事業を中心とした当社企業グループの事業拡大のため、当社の営業統括部をビジネスイネーブルメントサービス本部の直下組織といたしました。
なお、当社は2023年5月10日の取締役会において、株主還元の充実と資本効率の向上を目的として、2023年11月30日までの期間で市場買付けによる自己株式の取得(上限10億円または50万株)と自己株式の消却(時期未定、100万株)を決議しております。

■ 事業

クレスコにおいては、デジタルソリューション事業に関して、2023年4月に大手RPAベンダーであるUiPath社の「UiPath Japan Partner Awards 2022」において「Revenue Growth Partner of the Year」を受賞いたしました。また、AIの分野に関しては、社内の業務効率化と顧客への提案内容の高度化を目的として、Microsoft社の「Azure OpenAI Service」を利用した生成AIチャットサービス「CrePT(クレプト)」を構築し、2023年5月より社員向けの運用を開始いたしました。さらに、2023年6月には、当社のAI専門家による「AIエスコート」サービスの提供を開始しております。
セキュリティの分野では、2023年5月より「セキュリティ脆弱性診断」のメニューにペネトレーションテストを追加し、疑似サイバー攻撃を通じた課題の洗い出しを行うサービスの提供を開始いたしました。また、資本・業務提携の分野では、当社が資本出資するインド法人Cognavi India Private Limited社が、インド新卒学生向けジョブポータルサイト「Cognavi」をオープンいたしました。
連結子会社においては、(株)クレスコ・デジタルテクノロジーズが、サブスクリプション型Wi-Fiサービスである「CROSS for Mist」および製造業向けの「統合BOM管理ソリューション」の提供を発表しております。

その一方で、クレスコおよび一部の連結子会社で新卒社員を積極的に採用したことや、従業員の採用およびリテンション対策として給与水準の引き上げを実施したこと、ならびに教育投資を拡大したことに伴い、前年同期に比べて人件費や教育費が増加しております。また、ITサービス事業に関して、当社の複数の大型請負案件について、システム仕様や機能要件、開発体制等に起因する不採算プロジェクトが発生いたしました。
なお、余剰資金の運用に関連して、デリバティブ評価益(営業外収益)を2億82百万円、投資有価証券償還益(特別利益)を1億8百万円計上しております。

当期の見通し

2024年3月期の第2四半期連結累計期間および通期の連結業績予想については、2023年5月10日に公表いたしました業績予想に変更はございません。今後の状況や事業動向等を踏まえ、業績予想の修正が必要となった場合には、速やかに開示いたします。

2023年8月
代表取締役会長 根元 浩幸
代表取締役 社長執行役員 冨永 宏