株主・投資家のみなさまへ [29期 中間]

株主のみなさまには日頃から格別のご支援をいただき、心よりお礼申し上げます。中間期の業績とクレスコグループのさらなる成長に向けた取組みについて、ご報告いたします。

当期の基本方針

たゆまぬ『信頼と成長』

クレスコグループは2016年4月から5ヶ年の新ビジョン『CRESCO Ambition 2020』をスタートしました。当期は初年度として「たゆまぬ『信頼と成長』」を基本方針に掲げています。
世の中はここ数年で、クラウドやモバイル端末(スマートフォンやタブレットPCなど)を活用したシステムへの移行、IT基盤システムの統合や再構築、ビッグデータの分析と活用、ソーシャル技術のビジネス活用など、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術)に関連する領域が著しく成長しました。今後、人工知能(AI)、ロボティクス、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)などの次世代トレンドと相まって、さらに急激に変化していきます。それは、市場の多様なニーズを満たすために全ての企業が直面し、体験する「劇的な変化」です。つまり、あらゆる企業・団体・産業が、デジタル技術を活用したビジネスモデルの革新を模索する、「デジタル変革」のステージを迎えることになります。
その「劇的な変化」の時代で、「『クレスコグループ』はデジタル変革をリードします。」をスローガンに、さらなる成長を目指しています。

 

当期の重点施策

当期は、「ビジネスのスピードアップ」「コア事業を組合わせたビジネスの推進」「デジタル変革をリードする先端技術の研究、拡大」「品質、生産性の徹底的追求」「サービスビジネスの推進」「グループシナジーの強化およびM&A、アライアンスの推進」「大規模・複雑化・多様化する課題を解決するスペシャリストの育成およびスキル強化」「開発体制の拡充」「積極的な情報発信」「グループガバナンスおよびコンプライアンスの強化」の10項目を課題として掲げ、営業力、技術力、開発力の強化を目的とした諸施策を推進し、企業価値向上に取組んでいます。

当中間期の経営環境

熊本地震やイギリスのEU離脱問題に始まり、消費の低迷や円高、マイナス金利など、国内の懸念事項が相次ぎ、先行きの不透明感から、企業の投資が慎重姿勢に転じるなど、経営環境は踊り場となりました。企業の戦略的なIT投資の勢いは、競争力に直結するイノベーションを志向する「デジタル変革」の潮流が後押しする形となり、第3のプラットフォーム、人工知能、ロボティクス、IoT、セキュリティへの関心が高まっています。特に、クラウドとモビリティに関する領域は、パブリッククラウドやモバイル端末の普及を背景に、導入する企業が増えています。

当中間期の取組み

当中間期の主な取組み実績は、当サイトのニュースでご紹介していることの他に、2016年4月に基本給のベースアップを実施しました。当社の事業である受託システムの開発を支えている社員の、満足度を向上するための施策のひとつです。

 

また、受託システム開発に付加価値をつけ、お客様の新しい取組みへのご要望にいち早くお応えできるように、先端技術にも継続して取組んでいます。「技術研究所」では、2~3年先の技術トレンドを見据えて他企業や大学との共同研究を進めています。そして、研究結果を実用化できるように、「先端技術事業部」がサービス・ソリューションの開発に取組んでいます。その結果、株式会社ソフトバンク様と日本アイ・ビー・エム株式会社様が共同で開発した人工知能「Watson(ワトソン)」の日本語版を活用した、日本発のマッチングシステムを開発し、4月からお客様企業で利用が始まりました。そして、「Watson」を活用したシステム開発は、他のお客様からも受注しています。

当期の見通し

情報サービス産業全体の動向は、企業の業績回復を背景としたIT投資の増加に加え、デジタル技術を活用したビジネスモデルの革新を模索する「デジタル変革」の潮流に乗り、先進的な技術分野の需要がますます拡大すると予測しています。

 

クレスコグループは、「デジタル変革」をリードし、お客様がビジネスモデルの革新を通じて自らの成長を実感できる、現実的な提案をスピーディに行うため、事業の柱であるソフトウェア開発事業(ビジネス系ソフトウェア、組込み型ソフトウェア)において、技術および品質の面でさらなる強化を図ってまいります。また、先端技術を積極的に取込み、お客様の成長に寄与するサービス・ソリューションを充実させ、社会に貢献してまいります。

 

2016年11月
代表取締役会長 執行役員 岩﨑 俊雄
代表取締役社長 執行役員 根元 浩幸