株主・投資家のみなさまへ [28期 中間]

株主のみなさまには日頃から格別のご支援をいただき、心よりお礼申し上げます。中間期の業績とクレスコグループの更なる成長に向けた取組みについて、ご報告いたします。

当期の基本方針

"強み"を強化し、お客様へ貢献

「信頼と成長」を確かなものに

クレスコグループは2011年4月から5ヶ年計画で、次のなるステージへの挑戦と成長をテーマとした「次世代クレスコ」を経営の中核に据えて、事業を展開しています。

 

当期は「次世代クレスコ」の最終年度として、前年度に引続き「信頼と成長」を重点テーマに掲げて、「次世代クレスコ」達成に向けた重点施策を具現化し、企業価値の向上を図っております。お客様や株主・投資家様を含めたステークホルダーのみなさまのご期待にしっかりとお応えできるように、信頼の獲得と社員・組織の成長を目指しています。

次世代クレスコ

  1. 中堅IT企業トップリーグ入り
  2. 現事業での卓越性
  3. オリジナル製品およびサービスの開拓
  4. ユニークな子会社群による複合IT企業
  5. 営業拠点の広域化
  6. 海外進出
  7. 技術研究所設立
  8. 女性が活躍できる職場
  9. 人材育成のモデル企業
  10. クレスコブランドの浸透

当中間期の経営環境と業績

企業収益が総じて改善傾向にある中、好景況感で推移し、IT投資も増加しました。大企業と中堅企業を中心に、戦略的なIT投資の勢いは衰えていません。セキュリティの見直しの他、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術)への投資に関心が高まっており、特にクラウドとモビリティに関する領域は、モバイル端末(スマートフォンやタブレットPCなど)の普及を背景に、検討する企業が増えています。

 

クレスコグループでは、前期に引き続き、プロジェクト規模の拡大や引合いが増加し、当中間期の業績は、前年同期比で増収増益となりました。市場の変化に的確に対応すべく、事業および開発体制の強化と先端技術の研究に注力し、新規事業の創出と各種サービス・ソリューションの拡販等などに努めました。

 

当中間期の連結業績は、売上高138億19百万円、営業利益12億8百万円、経常利益14億10百万円、純利益10億17百万円の増収増益になりました。前年同期比で、売上高15.2%の増収、営業利益24.6%の増益、経常利益30.5%の増益、純利益31.6%の増益です。

重点施策

当期は、「人材の確保および育成」「開発および営業体制の増強」「品質管理の徹底」「第3のプラットフォーム関連ビジネスの拡充」「新技術への取組み」の5つを重点施策としています。

 

「人材の確保および育成」は、新卒および経験者採用の活動強化、協力会社との連携強化、技術専門職の育成プログラム実施を行っています。「開発および営業体制の増強」は、ニアショア開発(地方分散開発体制)の拡大、オフショア開発(海外開発体制)の推進、M&Aによる営業拠点の広域化および開発体制の強化を行っています。「品質管理の徹底」は、プロジェクト管理の強化、多段階レビューの実施、クレスコグループ各社に「開発標準体系」の展開を行っています。「第3のプラットフォーム関連ビジネスの拡充」は、ビジネスモデルの強化、近距離無線技術の普及に合わせたソリューションの開発、協業ビジネスの推進によるサービス種類の充実を行っています。「新技術への取組み」は、ニーズの調査とIoT(Internet of Things:モノのインターネット)ビジネスへの進出、先端技術を取込んだ共同研究の推進、研究成果の知財化による競争力強化を行っています。

当中間期の取組み

当社には「アプリケーション開発技術」「IT基盤システム構築技術」「組込み技術」の3つのコア技術があります。そして、長年の経験と実績に支えられた「技術力×開発力×品質」が当社の強みです。この3つのコア技術と強みを活かして、各事業部が既存の事業を支えています。一方、トレンド技術の導入や新たなビジネスモデルの創出には「技術研究所」と「先端技術事業部」が率先して取組み、グループシナジーを活用して、独自のサービス・ソリューションを展開しています。また、利益の源泉である「人」と「プロジェクト」に軸足を置いた施策にも継続的に取組み、収益性の向上を目指しています。

 

当中間期の主な取組み実績は、「子会社の統合(現『クレスコワイヤレス』)による近距離無線通信関連事業の強化」、「『エス・アイ・サービス』の子会社化による基幹業務(ERP)パッケージシステム事業の強化」、「IoT基盤となるセンサープラットフォーム『BeaconBridge』を開発」、「シンガポールでIRロードショ-を実施」、「自律分散型P2Pネットワークを活用したIoT基盤の開発・実験をSkeed社と推進」、「モバイルポータル事業に『クレスコ北陸』が参入」、「『クレスコ ワイヤレス』が電池持続時間を大幅に長寿命化した単三電池2本型のビーコンの販売を開始」、「基幹業務(ERP)パッケージシステムとのデータ連携ツール『ConnectPlus for CONCUR Expense』を『クレスコ・イー・ソリューション』と『エス・アイ・サービス』が共同開発し、2015年10月1日から販売開始」、「ソフトバンク『IBM Watsonエコシステムプログラム』の初期エコシステムパートナーに当社が選定」、「Web制作とソフトウェア開発を主力事業とする『メディア・マジック株式会社』を子会社化し、関西地方のビジネスを強化」、「『クレスコ九州』と連携したニアショア開発の拡大」、「在ベトナム企業との協業によるオフショア開発の推進」などがあります。

 

当社は、6月19日に開催した定時株主総会を経て、監査等委員会設置会社に移行しました。取締役会の監督機能を強化して、コーポレートガバナンスの充実を図り、より透明性の高い経営の実現と経営の機動性向上の両立を目指すためです。

当期の見通し

経済産業省が「攻めのIT経営」の促進を打ち出しており、国内企業のIT投資は、攻めの姿勢に転じた企業を中心に今後も活性化するでしょう。クラウドやモバイル端末を利活用したシステムへの移行、ITシステム基盤の統合と再構築、ビッグデータの分析と活用、ソーシャル・テクノロジーのビジネスへの活用など、第3のプラットフォーム分野は、ウェアラブルテクノロジーやIoTと相まって成長が加速し、2020年にはIT市場の4割を占めるといわれています。

 

クレスコグループは、システムインテグレーションを含む受注ソフトウェア開発を事業の柱とし、各種サービス・ソリューションやITコンサルティングをご提供しています。各種サービスは、第3のプラットフォーム分野の成長の流れを概ね取込めるポジションにありますので、IoT基盤、Beacon(ビーコン)基盤、機械学習など、お客様の多様化するニーズに、スピーディに対応してまいります。また、グループ各社が長年培ってきた営業力と経験を活かし、お客様の環境変化をいち早く捉えてビジネスチャンスを支援する、新規性と利便性を備えたサービスを開発し、他社との協業ビジネスも含めた事業を展開し、社会に貢献してまいります。

 

今後も企業の「メインITソリューション・パートナー」として、ビジネスの変革に貢献してまいります。株主のみなさまには、引き続きご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

2015年11月
代表取締役会長 岩﨑 俊雄
代表取締役社長 根元 浩幸