株主・投資家のみなさまへ [31期 第1四半期]

株主のみなさまには、平素より格別のご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。
クレスコグループの31期 第1四半期(2018年4月1日~6月30日)決算がまとまりましたので、ご報告申し上げます。

当第1四半期の経営環境は、海外情勢に起因する景気の不透明感や為替や株式相場の動向など、懸念事項は多々ありましたが、個人消費の回復や好調なインバウンド需要、企業の収益性改善等が後押しし、回復基調が継続しております。このような経営環境の中、企業の競争力と成長力を強化するための「第4次産業革命」や「働き方改革」「労働力不足」に対する取組みは、生産性改善に寄与するソフトウェア開発、システム開発の更なる需要を喚起し、これまでのコア技術(アプリケーション開発技術、IT基盤システム構築技術、組込み技術)に先端技術(AI、ロボティクス、IoT等)を加えた幅広い事業領域を有する当社企業グループにとって、優位性を発揮できる機会となっております。

クレスコグループは、事業機会を着実に取込み、更なる飛躍を果たすため、2016年4月「デジタル変革をリードする」ことを標榜した5ヶ年の新ビジョン「CRESCO Ambition 2020」を掲げ、業績目標の達成、重点施策の具現化、企業価値の向上を目指しております。

 

当該ビジョンのもと、当第1四半期は、市場の変化に即した新規事業・サービスの開発、的確かつスピーディな先端技術(特にAIやRPA)の取込みに注力いたしました。また、グループ企業の再編を含む開発体制の強化や品質管理の徹底を通じて、リソースに応じた適正な受注量の確保と顧客満足度の向上に努めてまいりました。その他、エバンジェリスト活動の一環として、技術研究の成果発表や各種サービス・ソリューションのプロモーション活動を推進いたしました。
良好な経営環境が継続している反面、エンジニア不足は、受託開発事業において、業績拡大のボトルネックになっております。クレスコグループでは、全社的な生産性改善活動(自社向けのイノベーション活動)をはじめ、受注単価の引上げや選別受注を積極的に実施し、トップラインの成長と収益性の改善に取組んでおります。
その結果、クレスコグループの当第1四半期の業績は、前年比増収減益となりました。

2018年度の景気見通しは、地政学的リスクや米中経済政策等、先行きの不透明感が依然、拭いきれないものの、基調としては拡大傾向にあります。2018年6月の日銀短観では、今後の設備投資の活況を示唆しており、中でもソフトウェアの投資額が引続き拡大する傾向です。国内企業の業績が、概ね好調に推移していることから、今後も豊富な手元資金をIT投資に振り向ける企業が増加するものと予測しております。

 

クレスコグループの主要セグメントにおいて特に成長が見込まれる、人材、旅行、物流、カーエレクトロニクス、情報家電の各分野は、「デジタル変革」の到来により、お客様層の裾野が更に拡大する局面にあり、当面の成長を見込んでおります。また、基幹系のシステム更改、新規サービス対応システム、新商品の組込みシステム、人材不足に起因する生産性向上を目的とするシステム(AI、RPA)、ハードウェア、運用のコスト削減を目的とするクラウドへの移行などは、有望なビジネスになると見込んでおります。幅広い技術領域を有するクレスコグループがご提供するサービスは、これらのトレンドを概ね取込めるポジションにあり、あらゆる企業や団体、産業から「デジタル変革」のメインITパートナーとして期待されております。

 

クレスコグループは、「デジタル変革」をリードし、お客様がビジネスモデルの革新を通じて自らの成長を実感できる現実的な提案をスピーディに行うため、事業の柱であるソフトウェア開発事業、組込型ソフトウェア開発事業において、技術および品質の面で更なる強化を図ってまいります。あわせて、先端技術を積極的に取込み、お客様の成長に寄与するサービスおよびソリューションを充実させ、社会に貢献してまいります。
なお一層のご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

2018年8月
代表取締役 社長執行役員 根元 浩幸