株主・投資家のみなさまへ [36期 中間]

株主・投資家のみなさまには日頃から格別のご支援をいただき、心より御礼申し上げます。クレスコグループの第36期 中間期(2023年4月1日~9月30日)決算がまとまりましたので、ご報告申し上げます。

当中間期の経営環境

新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが変更となり、人出が回復するとともにニューノーマルを模索する動きが加速した一方で、円安が再度進行したことにより企業や家計のコスト上昇への警戒感がさらに強まってきております。

クレスコグループが属するIT産業においては、生成AIが企業の人手不足対策や生産性向上に与える影響に注目が集まるとともに、サイバー攻撃に対する脅威がますますクローズアップされ、企業のIT投資意欲は一段と高まっていくものと判断しております。

当中間期の取り組み

■ 組織および体制等

クレスコにおいては、2023年4月よりさらなる品質強化と業務効率化の促進を目的として、当社の品質管理本部を再編し、品質・プロセス統括本部として改組いたしました。また、デジタルソリューション事業を中心とした当社企業グループの事業拡大のため、当社の営業統括部をビジネスイネーブルメントサービス本部の直下組織といたしました。
また、クレスコグループの財務情報と非財務情報(経営理念、事業内容、価値創造プロセス、サステナビリティ/ESGの取り組みなど)を整理し、詳述した「統合報告書2023」を創刊し、当社ホームページに掲載いたしました。

■ 財務

クレスコは、2023年5月10日付の取締役会決議に基づき、当中間期連結累計期間において自己株式500,000株(取得価額の総額995,644,700円)を市場買付けの方法により取得するとともに、2023年9月8日をもって自己株式1,000,000株の消却を行いました。この結果、当中間期末における発行済株式総数は22,000,000株となりました。

■ 事業

当社

デジタルソリューション事業に関して、2023年4月に大手RPAベンダーであるUiPath社の「UiPath Japan Partner Awards 2022」において「Revenue Growth Partner of the Year」を受賞いたしました。7月には、ウィングアーク1st(株)と販売代理店契約を締結し、同社の電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent」とUiPathを連携させることで経理業務のペーパーレス化と自動化を実現するソリューションの提供を開始いたしました。
また、AI分野では、社内の業務効率化と顧客への提案内容の高度化を目的として、Microsoft社の「Azure OpenAI Service」を利用した生成AIチャットサービス「CrePT(クレプト)」を構築し、2023年5月より社員向けの運用を開始いたしました。さらに、6月には当社のAI専門家による「AIエスコート」サービスの提供を開始しております。
クラウド分野では、2023年9月より、CAD等のシステムをテレワーク環境でも快適に操作できるサービスである「GPUSOROBAN リモートワークステーション」の提供を開始いたしました。
セキュリティ分野では、2023年5月より「セキュリティ脆弱性診断」のメニューにペネトレーションテストを追加し、疑似サイバー攻撃を通じた課題の洗い出しを行うサービスの提供を開始いたしました。

資本・業務提携

2023年6月に、当社が資本出資するインド法人Cognavi India Private Limited社が、インド新卒学生向けジョブポータルサイト「Cognavi」をオープンいたしました。
また、2023年9月には、ベトナムのレストラン&リテールテックスタートアップ企業であるCAPICHI PTE. LTD.(本社:シンガポール、以下「CAPICHI社」といいます。)に出資、業務提携契約を締結いたしました。業務提携により、当社はCAPICHI社のQRモバイルオーダーシステム「Capichi OI」の日本国内総代理店となり、観光インバウンド対策を通じて飲食店、小売店、宿泊施設のDX化と外国人顧客の満足度向上に貢献してまいります。

連結子会社

(株)クレスコ・デジタルテクノロジーズが、サブスクリプション型Wi-Fiサービスである「CROSS for Mist」および製造業向けの「統合BOM管理ソリューション」の提供を発表しております。

その一方で、当社および一部の連結子会社で新卒社員を積極的に採用したことや、従業員の採用およびリテンション対策として給与水準の引き上げを実施したこと、ならびに教育投資を拡大したことに伴い、前年同期に比べて人件費や教育費が増加しております。また、ITサービス事業に関して、当社の複数の大型請負案件について、システム仕様や機能要件、開発体制等に起因する不採算プロジェクトが発生いたしました。
なお、余剰資金の運用に関連して、デリバティブ評価益(営業外収益)を2億66百万円、投資有価証券償還益(特別利益)を1億8百万円計上しております。

当期の見通し

2023年度下期の見通しにつきましては、円安・物価高騰の影響に加えてイスラエル・ガザ紛争という新たなリスク要因が生じておりますが、AIやRPA、セキュリティ等の分野を中心にIT投資の伸長が見込まれるほか、新卒採用者の開発現場への参画が進むことにより、当社企業グループの受注機会は引き続き拡大していくものと予想しております。

 

当社で発生した複数の不採算プロジェクトに関連して、当中間期連結累計期間において、現時点で収集可能なすべての情報と合理的な仮定に基づき受注損失引当金を計上しております。当該プロジェクトについては、未だ不確定な要素を含んでいるため、終結に向けて上位マネジメントによる支援およびモニタリングの強化を実施し、下期への影響を最小限に防ぐよう注力しております。

 

以上により、2024年3月期通期の連結業績予想については、2023年5月10日に公表した数値から変更を行っておりません。今後の状況や業績動向等を踏まえ、業績予想の修正が必要となった場合には、速やかに開示いたします。

2023年11月
代表取締役会長 根元 浩幸
代表取締役 社長執行役員 冨永 宏